ぼくは、パチスロが下手でバカにされていました。

しかし、ぼくには東京にすごくパチスロが上手いいとこがいるとがわかり...

その人に教えてもらうために、大学4年の冬休みを利用して一週間の予定で上京したのです。

卒業はどうしたって?

いえいえ、すでに留年決定しているのでかまいません。

この人がいとこの王子兄ちゃんです。


王子一族。1





まだ20をちょっと超えた辺りであろうか、人の良さそうな、気の弱そうな青年が雑誌をみつつ、笑顔で隣の男に話しかけた。

となりにいたのは、自称NO1.スロプロの王子こと三上。

三上が誰かと一緒にいるのをみて、いつものメンバーたちは思いっきり首をかしげる。


「なんか珍しい光景よねぇ」

とつぶやいたのは、むかしつるんで打っていたらしいスロットアイドルのツバサ。

「一緒にガイドみてるわよ」

その横で強力ライバル、ユンギュンもしげしげと三上のとなりの青年をみつめた。

「いやぁ、はじめてみましたよ。こんなの」

そう大声で言い張るのは、藤代ことホクロ。

誰なんだろ?と青年をじっと伺う様子からはほんのすこし焦りの色もみえる。

藤代は認めないだろうが、三上の(弟子)下僕は自分だという気持ちがあるのだろう。

「貴様が打つ台はコンチ410全てのデーターを頭に叩き込んだんだろうな」

三上の怒号が響き渡る中、青年はえへらと頼りなさそうな笑みを浮かべてみせた。

「うん。バッチリ」

その横で、王子も負けないくらいのホクロ悲鳴じみた声が響き渡った。

「誰なんスか。それ」

三上が、その声に青年をメンバーに紹介する。

「こいつか...。こいつはなぁ、俺にパチスロを教わりにきたいとこの一馬だ」

「いやぁ...どーも」

三上の言葉に一馬は綺麗な黒い髪を掻きつつ挨拶をした。