まだ20をちょっと超えた辺りであろうか、人の良さそうな、気の弱そうな青年が雑誌をみつつ、笑顔で隣の男に話しかけた。
となりにいたのは、自称NO1.スロプロの王子こと三上。
三上が誰かと一緒にいるのをみて、いつものメンバーたちは思いっきり首をかしげる。
「なんか珍しい光景よねぇ」
とつぶやいたのは、むかしつるんで打っていたらしいスロットアイドルのツバサ。
「一緒にガイドみてるわよ」
その横で強力ライバル、ユンギュンもしげしげと三上のとなりの青年をみつめた。
「いやぁ、はじめてみましたよ。こんなの」
そう大声で言い張るのは、藤代ことホクロ。
誰なんだろ?と青年をじっと伺う様子からはほんのすこし焦りの色もみえる。
藤代は認めないだろうが、三上の(弟子)下僕は自分だという気持ちがあるのだろう。
「貴様が打つ台はコンチ410全てのデーターを頭に叩き込んだんだろうな」
三上の怒号が響き渡る中、青年はえへらと頼りなさそうな笑みを浮かべてみせた。
「うん。バッチリ」
その横で、王子も負けないくらいのホクロ悲鳴じみた声が響き渡った。
「誰なんスか。それ」
三上が、その声に青年をメンバーに紹介する。
「こいつか...。こいつはなぁ、俺にパチスロを教わりにきたいとこの一馬だ」
「いやぁ...どーも」
三上の言葉に一馬は綺麗な黒い髪を掻きつつ挨拶をした。
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