その満足げな三上の後ろには席を取れなかった藤代がひとり呟いていた。
「うーむ。ボク的には、どーもサイバーってフクザツで敬遠しがちなんですけど。どーせなら単純にダブルチャレンジのほうが・・・」
三上に対する警告といった所なのだろうか。
たしかに、サイバーチャレンジはオヤジ打ちだけでは揃わない技術介入系。
失敗すれば飲み込まれて終わるだけの典型的な台である。
しかし、そんなことは三上には関係ない。
調べ尽くしている彼は勝算なしに座ったりしない。
それは、立ち振る舞いを見ても明らかである。
三上は、ひとりぶつくさ言っている藤代を一笑した。
「つーか、座れなかった奴は帰れ」
台に専念したい三上にとって、藤代は邪魔でしかない。
はずなのだが...三上の性格でそこまでいわれて黙って引き下がるはずがない。
いつものように藤代にサイバードラゴンについて説明しはじめた。
「まぁ、システムは一見複雑に見えるが・・・・・・・慣れれば至ってシンプルだし、爆発力もダブルチャレンジと互角よ」
台から目を話さずに、説明は続いていく。
「ダブルチャレンジのATは、最大3000G。こいつは たしかにスゴいが逆に言えば数が決まっているのに対し」
今度はダブルチャレンジとサイバードラゴンの差を話しはじめた。
「サイバーラッシュは引けば2確は確定。しかも上限は不明。最大255連するって話もあり、夢がある。どっちを打つかはお好み次第だな」
まるで、ホールの人間の言葉である。
藤代はいい情報にありつこうと話を続ける。
「たしか、サイバーはシングルボーナスとJACゲーム共に押し順を当てるんでしたよね。やっぱ、アドリブっスか...」
アドリブなら藤代には不可能。
今度の時のために、三上の吐き出してくれる情報をここぞとばかりに吸収する。
三上は、そんな藤代に対し、説明を続ける。
三上とて、やはりたよられるほうが嬉しいのである。
さっきまで、あれほど「帰れ」と言っていたのがうそのようだ。
「イヤ、俺でもそれはツラい、通常時はテキトーに打つしかない」
その言葉通りオヤジ打ち全開で台をブン回す。
「だが、サイバーミッション。この時は脳が活性化するッ。特にこのドラゴンミッション!!クリアすれば即サイバーラッシュ確定。ゆえに」
液晶画面には『10ゲーム以内に龍を三回揃えよ!』とある。
「俺のアドリブも全開になる。10G以内に龍を三回...必ず引くッッ」
三上の気迫はさっきとはまったく違う。
熱いオーラがその周辺を取り巻いているかのようだ。
「中 右 左 ッ」
自然と、ボタンを押す三上の指は強くなる。
見事に龍がリールに揃った。
三上の勢いは止まらない。
「この龍はシングルボーナスもかねている。つまり次ゲームはJACゲーム。二種類のうち、ラベルは引かないように」
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