彼女と俺は、そこがはじまり。
guadian force line over
重厚な扉が開かれ、風と共に入ってきた人々の波に視線を流す。
聖地と言われるこの大地においては拝礼者の数も半端ではない。
その波をくぐって、あの日彼女は俺の前にあらわれた。
召喚士として。
「といいます。祈り子様にあうことをお許し頂けますか?」
俺はの言葉に従って扉を開き、彼女とガードを闇の中に進ませた。
いつもの、変わらない毎日だった。
仕事だった。
僧官としてベベルを守る日々。
人々と話をし、寺院の、エボンの教えの素晴らしさを説く日々。
疑問すら抱いていなかった。
エリート街道にのっかって、上官が先日差し出した見合いに応じればすむだけのこと。
それで何ごともなく一生を終えられる。
シンという存在は、民だけの上に恐怖として存在するものであって、寺院からすればそれほどの驚異ではないことも知っていた。
くもった目の前になら安定した生活と、未来が待っていたのに。
ただいつもと違っていたのは、いつもは気にも止めない召喚士を。
止めてはいけない召喚士を。
を見据えてしまったこと、だった。
一度気にかけたの話は嫌でも耳を通り抜けていく。
彼女は召喚士。
そのすこしの行動が大陸中に伝えられ、人から人へと伝わっていく。
そう、伝えられたくないことであろう、敗北を意味するその死でさえも。
彼女がガガセト山に達したと連絡が来た次の日の遅く、夜半すぎに激しく寺院の扉を叩く者がいた。
マイカ総老師直属の情報部員兵士だった。
兵士はうすら笑いを浮かべたような表情をしていた。
「またひとり召喚士が命を断たれました。全寺院はその召喚士、の活躍と御霊を静めるために一昼夜火を灯すようにとのことです」
彼女の最後なんて瞳がぶつかった瞬間から分かっていたんだ。
召喚士が消化物だってことも。
散って消えていくもの。
命の輝きすら残らない、心臓を上からわしずかみにされるくらい分かっていたのに。
いるのに。
痛みを押さえ切れない。
「上官、あのお話はお断りいたします」
灰色に覆われた雲が白い霊峰を照らしたのは、彼女の命が尽きたあとのこと。
追記**
う〜〜〜〜ん、書きたいこと伝わってないだろうなぁ...。
題名のline overは死の後って意味を含ませたんですけど...。
ビミョ−過ぎる。
あ、コンセプトはエボンエリート僧官の真田(聖ベベル宮内寺院所属/でも、裏ではマイカの言いなり)がやってきた召喚士()に
心を寄せるみたいなものだったんですけど、あの世界では召喚士が特別なものなので情報は速やかに人々の間に広まると...。
そして彼女の死でなにが大切かに気付くってそんなものだったんですけど...。
とりあえずこの話の中で大切だったのは僧官という設定で書くこと。
最終的なイメージはアーロンになってます(アーロンって僧官だったんだよね、見合いを断ったことまで同じ)
ただ、真田はガードになって旅には出ませんけどね。
出世街道を外れた僧官としてきっとビサイドあたりの寺院に飛ばされたんではないでしょうか。
でもまぁ、書いてて楽しかったのでとりあえずよしとします。
image song FINAL FANTASY
]『極北の民』『異界送り』
2003.03.07