スピラで一番嫌いな場所。
そしてすきな場所。
ザナルカンド。
時代。‐忘れ物。‐
一度目の旅路は、希望にふくらんでいた。
気高き山、ガガゼトで亡くした大切な。
同じ召喚士として旅に出て、そして志し半ばで散ってしまった。
そのの祈りを繋ぐ為にも究極召喚を手に入れてスピラを平和に導く。
ずっと願っていたはずだったのに。
ザナルカンドはそれを無惨なカタチで打ち砕いた。
伝説は所詮、伝説であり、正しいとは限らない。
だけど、真実を知ったブラスカ様やジェクトはそれを受け入れた。
それが、平和への。
幸せへの道だと信じて。
それしか方法が存在しないと分かっていたから。
それでも、それでも俺は納得出来なかった。
ブラスカ様がシンを倒し、そしてジェクトがシンに変わるまで。
その短い間に、俺はユウナレスカに挑んだ。
結果は、もちろん死。
だけど、俺はジェクトとブラスカ様との約束を思い出した。
まだ、死ぬことができない。
ふたりとの約束を果たしてから。
そうじゃないと天空にあがれない。
そして、俺は強い思いを抱いて死人になった。
2001.11.12