時代。‐刹那。‐
死人になった俺は、シンになったジェクトの願いによってスピラとザナルカンドを行き来することができるようになった。
ブラスカ様とジェクト。
ふたりの残した大切な宝物、ユウナとティーダ。
そのふたりを見守って、そしていつかふたりを引き合わせる。
俺にかせられた使命...。
ティーダがザナルカンドからスピラにつれてこられた理由は一つ。
シンになったジェクトを倒すこと。
ジェクトがどんな気持ちでそれを決意したのかは図り知れない。
子供に殺されることを望むこと。
もしかしたら、成長したティーダをみたかったからかも知れない。
姿、形が変わってしまっても父親であることに変わりはないから。
最後に、抱き締めたかったのかも知れない。
それを望んだのかもしれない。
究極召喚以外では、倒せないシン。
ユウナが召喚士になったことをジェクトは喜んだろうか。
ブラスカ様の愛娘のユウナに倒されることが良かったと思ったのだろうか。
剣を向けられたときのジェクトの表情。
杖をしたがえたときのユウナの震え。
せつなさと安堵でココロは充されただろうか。
声を交わすことさえも出来なかったからそれは分からないけれど。
できれば...。
できることならば。
痛みと苦しみ、悲しみから解放されて...。
2002.07.28