wing heart.








君は、空をもっていた
そして、自由に飛べる羽根をもっていた
白い、一点の汚れもない羽根...
澄んだ青の中に一点の白がぽつんとある
存在しないほど弱かった白は、次第に大きくなっていった
ほんとうにすこしづつ...
黒はそんな小さな白に興味を示した
桜の機の花びらが落ちるほど、ゆっくりだったけれど。
いつのまにか黒を支配してしまった
小さな白は黒を動かした
君は大きな黒の中で自由にはばたいた
世界は変わらなかったけれど 一人の男を変えさせた
そして また 君は その羽根で 自由にはばたきだす
君の背に 白い羽根をしたがえて






2002.07.27