ねぇ、あんたはきっと納得しないけど。

しかめっ面して、嫌がるだろうけど。

でも、それでもあたし。


自分の気持ち痛いくらい分かってるよ。


あんたの占める割り合いが、多くなっちゃったの。

...悟ってる。












お遊び恋愛。ー 視点−











学校内外に、彼女が5人も6人も、いるの知ってる。

だって、そういうの分かってて付き合ったんだもん。

泣いたりなんてしない。

どうせ、はじまりは一緒のところから。

恋愛を恋愛と思ってない跡部と、彼氏作っても三日で飽きちゃうあたしが。

付き合いはじめたのは、ほんと成りゆきで。

あたしもあたしでほら。

彼氏作っても、相手の夢見がちに醒めていくっていう、かなりドライなヤツだから。
絶対長続きしないってくくってたところあって。

もちろん、跡部も彼女何人もとっかえひっかえしてるから。
それに、クールで非人格者だって言われてたしね。
面倒にならなくてすむかなって、別れたくなったらすぐ別れられるって。

お互いのことアクセみたいにしか思ってなかったのね。

そのとき満たされればいいや、外であうときまわりから優越感感じられるし得かも。なんて思ってたりしたんだ。



でも、それって間違いだった。

一緒にいいるべきじゃなかった。

付き合うべきじゃなかった。


だって、分かったもん。

どうして、あんなに女遊び激しい跡部がモテるのか。

容姿端麗なだけじゃない、お金持ちなだけじゃない、あの俺様的思考回路だってなんだって。

憧れにも羨望にもそれ以上で上回ってしまうアイツがいるから。


予想をこえるスピードで意外性突き付けられてどんどん侵食されて、気付いたらのめりこんでたわ。

いままで何人と付き合っても、三日で飽きてたのに。
夢見がちなセリフ、吐かれるの大ッ嫌いだったのに。

あんたの傍にいると、あたし。

いままでの、彼氏があたしに言ったこと言いたくなるわ。




「ねぇ、ずっと一緒にいたいよ...」



















追記。


これって、あたしの過去まっしぐらだよ...。
len、まんまこの主人公だもん。
つーか、跡部みたいな男あたしをつかまえてくれよ。
むしろ、あたしより先に夢見がちなこと言った時点であたし醒めるから、よして。
(なんか、へんにボーイッシュなのが問題)
っていうか、ちょードライだよ、len。

image song 宇多田ヒカル『SAKURA ドロップス』


2002.11.12