なぁ、スキだって言っても。

きっと笑い飛ばして終わっちまうんだろ?


だったら、まだ黙っとく。


まだ、お前との関係。

終わらせたくねぇから。


ずっと、一緒にいてぇから。













お遊び恋愛。ー 跡部 景吾視点−











付き合おうって言い出したのは、あっちが先だったって記憶してる。

だけど、その理由は『俺が好き』だからじゃなくて。

『付き合いやすそう』なんて、ほんと告白としては笑える。

まぁ、俺も女だったらとりあえず誰でも良かったし。

しかも、

平均より可愛いしな。

俺にとっちゃ儲けもんってところだ。

それに、普通の男との恋愛にいつも失敗してるって言ってたし。

俺としても、くらいの女がどうして三日と持たないのか知りたいってのもあったしな。

とりあえず、様子をみてみた。


そしたら、なんのその。

付き合いにくいって理由がみあたんねぇ。

他の女みたく、いちいちメールで『何してんの?』とか『どこにいるの?』なんて言ってこねぇし。

『景吾、だいすき』なんてプレッシャーもかけねし。

俺の時間、尊重してくれるし。


付き合ってる女のなかで、一番になるのは早かった。


けど、俺のなかでを『いい』って思い出した頃から。

にちょっとしたイラダチも感じはじめるようになった。


セックスをしても、『すき』なんて言ってくれねぇ。

あう時間は極端に少ない。

『一緒にいたい』とも『傍にいて』とも、そんな言葉さえも言ってくれない。


いままで他の女に望まなかったことを、他の女にされて嫌だったことを。

俺は、に望んでる。



なぁ、一緒にいてぇよ。

一番近くで、みててくれよ。

好きだ。

手ぇ、つなぎてぇよ。



俺は、フツーのカップルみたくと喧嘩したりいちゃいちゃしたりしたい。
それが、俺の望み。



希望、切望、願い。




















追記。


跡部視点。
こんなふうに愛されてみたい。どうじゃろ?


image song 宇多田ヒカル『SAKURA ドロップス』


2002.11.13