endless future!/夏休みはもうすぐ。























「えっ?肝試し?」






その瞬間の大きな瞳が不安の色を浮かべ、強ばった。
心無しか声も震えているように感じる。
俺は、その様子を黙ってみていられなくて無謀な提案をした忍足と向日に訝しい声を上げた。

「お前ら、くだんねーこと言ってんじゃねーよ」

それにすぐ、反応を示したのは予想と違って向日だった。
弱点発見とばかりに、『なんでーいいじゃんか、別に。それとも跡部、まさか怖いとか言うんじゃねーだろうなぁ、だとしたら面白すぎるぜ!』なんて馬鹿みたいに騒ぎながら毎度のごとく飛び跳ねている。
てっきり忍足が何か言うと思った俺は、肩透かしを食わされながらも頭の中さえもアクロバティック一色なバカに釘を差す。

「俺に限ってそんなことあるわけ...」
「ないに決まっとるやないか、岳人も考えたら分かるやろ」

言い終えるか終えないうちに忍足の声がかぶさって遮られる。
視線を流すとにやにやと含んだ笑みを浮かべた忍足がみえた。


こいつ、俺がのこと心配してるって悟ってやがんな!ムカツク。


心を悟られた腹ただしさに、口元だけをあげたような笑いかたの忍足をにらみつけて言う。


「ともかく!肝試しなんてバカなことはやんねぇ。だいたいお前ら合宿をなんだと思ってんだ?テニスしに行くんだろうが」

力説する俺の声をぶーぶー言いながら向日の野郎が遮る。

「関東だって何処だって俺と侑士が負けるわけないじゃんよ」

跡部もバカだよなーと余裕をみせるおかっぱに決まったばかりの計画を吐き出す。

「そーかよ。いまのうち言っとくけど、合宿最終日試合するからな」

そんな余裕ぶってるとお前ら、つぶされるぜ?と低く脅しをかけた声に、忍足は『怖いわー潰されるなんて』とラケットに手をかけて練習にとりかかろうとする?

それを見た向日も『侑士練習すんのか?』と後を追いかけていく。





その場には俺とだけが残された。


「景吾ちゃん」

ふいにに呼ばれて視線を向ける。
はちょっと笑いながら忍足と向日の練習をみていた。

「ことしの夏もテニスだね」

「あぁ、そうだな」

うなづいたあと『でも』と、言葉を紡ぐ。




「祭だってプールだって花火大会だってあるだろ?」




が頭を振って俺の好きな笑顔でわらった。


















「うん」
































追記**



endless future!より夏休みはもうすぐ!な、ちゃんと跡部をセレクトしてみました。
なんだかendless書くのがひさしぶりすぎてちゃんキャラ違ってる気がしなくもないです。
まぁでもこのくらいなら許せる範囲なのでいいことにしておきます。
それにしても、これホントにドリームなんでしょうかね。
ホントはもっと伊織ちゃんとか宍戸(はぁと)とかちょうたろも出したかったんだけど、なんか収拾がつかなくなりそうなんでやめておきました。
(ちょうたろの高速ボールにびびるたんとか書きたかった・・・)
あとジロたんも。(ホントは氷帝で三番目にすきなのよ)
でもまぁ今回はというか、今回も忍足・向日ペアにでしゃばられてしまったわけで。
はっきり言って一言で岳人がウザいです。
そして忍足くんはlenが書くと性格悪くなる。
しかもニセ関西弁というかむしろ京言葉のほうがすきです。(あ、いつの間にかlenの好きな言葉になってましたね、アハハ)
でも本編と同じくらいの純っぽさというか初々しさは出せたんではないでしょうか。
それでは、FFT-Aの世界に再会してきます!




image song  浜崎あゆみ『July 1st』


up date:2003.07.27