嫌いになりたいのに、見放したいのに。


それでも、目で追ってしまうわたしは












Over.02











ほんとうは、何もかもから離れるべきだった。
弦一郎のそばにいるべきじゃなかった。

なのに、一緒にいたせいで。

告白した後も一緒にいたせいで。
テニス部にいたせいで。

見たくなかった、知りたくなかった弦一郎を知ってしまった。

柳が言ってた『調子の悪さ』なんて痛いほど分かってるよ。

弦一郎がどれだけ変なのかも。

だけど、わたしにはどうすることも出来ないでしょう?

だって、わたしは弦一郎にはじめから拒否されてる。

わたしに言うのはお門違いなんだよ、柳。


なのに、必要とされてないことくらい分かってるのに、どうしてどうしてわたし。

こんなにも弦一郎をみてしまうの。


嫌いになりたいのに、拒否されたのに。

一番近い場所は、欲しい場所は開けてくれないのに。




怖くて、手なんて差し伸べられないよ。

『元気ないね』なんて言えないよ。
『調子悪いよ』とも言えないよ。
前みたいに励ませないよ。
笑えないよ。
わたしを出せないよ。



辛いんだなんて顔しないで。
わたしだって
わたしだって


真田の前じゃ笑えない。





なのに、なんで嫌いになれないの...











































/▽




追記。

前作の続編かな?
好きな人のことを忘れるのってすごい大変だと思うんですよ。
嫌いになりたいのに、嫌いになれないし。
自分は悪くないって責めてみたって、結局彼も悪くないんだって最終的には思っちゃうし。
もうホント...やめよ思い出しちゃうし。




image song 浜崎 あゆみ『Over』





up date:2003.08.17