どんなに否定したとしても


あいつの言ってくれたその言葉を



真実として、思い出しながら生きていくことぐらいしか





あたしにとって意味のあることなんて、ない。



















one's shell


























付き合うことになったのは、あいつの「すき」でもあたしの「すき」でもない言葉から。




好意だけを物陰からみせるような、ズルイやり方で。



うすっぺらな「口説いたらどうする?」って言葉で。




君は、あたしの心に降ってきた。





それで、あたしが興味を感じて、好意を受け止めようと近づいてみれば。




あいつは、いつだってそ知らぬ顔をする。





あたしが欲しいのは、キスでも抱擁でもなんでもなくて(それは欲しくないといえばオーバーかもしれないけど)





ただ、あいつの一つの言葉なのに。








意地を張っているのは、あたしだって顔をするけど、違うよ。







心を見せてくれたようで、あたしに近づこうとするようで、それでいて真実を見せてくれないのは、あいつなのに。







あいつのほうなのに。









なんでこんなにかき乱されなきゃいけないの。





たった一つの言葉に。





酔った、真実かどうかも真意が入ってるかどうかもわからない言葉なのに。




あまったるい甘えるみたいな子どものような声でささやいて(ほんとうなら、その手はあたしが使うはず)




なにを期待させるの、なにを狙ってるの。





あたしを振り回すの。





「さいきんねぇ、のことが すきすぎて すきすぎて どうしよう」












どうしたらいい?


















もう、信じられないくらい














そんな言葉を言われただけで






いままでのこと水に流せるくらい








忘れてしまえるくらい









すきですきで どうにかなっちゃいそうなのは





あたしのほうなのに。








バカ。













どんなに事態が偶然だってわかっていたとしても






酔ってるって認識してたとしても








そんなかわいい言葉を言われたら









あいつの言葉を











信じてしまう、期待してしまう。








追記。


かなり自分の体験を基にしてます。
こんな風に言われたことが前にあって。
恥ずかしかったけど、すごく嬉しかったな。
カレは基本的に殻に閉じこもってる人なので、なかなかlenに素をみせてくれませんでしたね。
だから、酔った勢いでもそういってくれたのは本当に嬉しかったです。
あぁ、なんてかわいいひと。



date 2004.10.01