ただの、ちいさいガキ。
だけどその心は狂おしいほどに純粋で。
合成人間になった現在(いま)でも。
白昼夢。
たくさんの人間模型たちの前で、ちいさく呟いたその真実は。
だだっ広いその部屋に溶け込むのを恐れながら、堕ちていった。
一度放った、言葉の効果で皆は静まり、まゆをひそめ空気に揺れる赤毛をみつめた。
「狂人。それが、俺の知っている...だ」
言葉の落ち着きぶりとは対照的なルックス。
130センチくらいかと思われる部屋の4分の1程度の身長。
だけど、赤い髪のその少年は話すことをやめられなかった。
視線の奥にからみつく、2メートル先のピンク色の少女。
少女の顔色が変わっていく。
合成人間の、少女の顔色が黒く陰り光をなくしたあとも、一度零したその言葉のために少年は言葉を繋いだ。
少女が目の隅で自分に背を向けたのがみえていても、言葉を伝えなければいけなかった。
脳裏をよぎる、『赤いもの』
少年はそんなものと無縁の位置にいた。
生み出されたもの、だから。
もちろん、彼女も造られたもの。
だけど、かたくなに人間になれることを信じている。
信じたがっている。
少年にはそれが、眩しいほどの光の中にいるように思えた。
責任者として、説明しなくてはいけない。
だけど、少女に悲しい顔はさせたくない。
少年は、真実をみていた。
でも、だんだん考えが揺らいでいった。
自分の知っていることは本当なのか。
少年は、現在の自分を出発点にしようと思った。
少女の、みせてくれた夢であっても。
後書き
このシーンは、ジュニア君とはじめてあったときのあの場所でのチビ様(ジュニア君)のきもちですかね、を想像してみました。
ジュニア(チビ様)がM.O.M.O.に惹かれるのとかむっちゃわかるんですよ。
別にM.O.M.O.が可愛いからじゃなくて、あのコってやっぱり子供状態のレアリエンだ
からなのかすごい純粋ですよね。
だから、ジギーだって一緒にいて休まるんじゃないかな。
あぁ、それにしてもM.O.M.O.ちゃんてば罪なコ。
2002.03.07