脳にはり巡らされた神経のかわりの機械が『許容範囲外』の警笛を鳴らす。


鉄壁を誇るはずのシールドからも外気の熱が風になって顔に吹き付ける。








感情行動。










シオンを守ることだけをインプットされてたはずなのに、気付くと身体が動いてた。
胸の奥の心臓のかわりの『コア』が激しく波打ってどうしても制御出来ない。

自分でも理解出来ない行動。
エルザに打ち付ける熱風を身体のシールドで受け止めながら、意識を飛ばした。


百式レアリエンのモモを救おうと、血気盛んに感情をあらわしたジュニアをまのあたりにしたとき、まったく理解出来なかった。

人間はどうしてこんな小さなことで動揺するんだろう?とさえ、感じた。

シオンが雷で頭を抱えたことだって理解出来なかった。

アレンがシオンのあとをついていくことだって理解出来なかった。

何もかもが理解出来ないことばかりなのに、脳が受け付けないことばかりなのに。

いまの、自分自身の行動はまったくそれらの事例と同じなのに。

理解出来ないのに、身体だけが脳の意識に反してシールドを貼り続けている。

許容範囲外の警笛がどんどん容量を増す、その中で。

ただ言い知れぬ、得体の知れないものだけが私を突き動かしている。


熱風の強さがシールドの甘さを突いて、身体に直接降り注いでくる。
青い髪の端が、熱を感知して警告を発する。
あと、何分ももたないのに身体はシールドを貼り続けようと力を絞り出している。



この身体が、燃え尽きようとお役にたてれば...。


頭の中に、そんな言葉が浮かんで支配した。










後書き


めっちゃネタバレ作品。
初KOS-MOS。
つーかあのシーンすきなんですよ。
なんかじわっとくるものがあるよね。
KOS-MOSらぶです。


2002.03.14