意識が飛んできた瞬間、赤い髪の見覚えのある気配を感じて身が嬉しさに震えた。


運命のような再会のしかた...。

ルペト。


お前は、激しい怒りと痛みを俺にくれるんだろうね。

そのときが楽しみで心がうずくよ。

それまで、大切なペシェと遊んでるから、早くおいで。
ペシェが壊れてしまわないうちにね。




偽物。





偽物は嫌いだ。

世界にはびこる偽物。
ヨアキム・ミズラヒが作り出した白いペシェの姉妹、キルシュヴァッサーも偽物。
原形になったピンクのペシェにはどうしたって勝てない。

偽物には、姿形は真似できてもその役割は原形を超えられない。


所詮偽物だから、原形をサポートするだけの能力しか与えられていない。

でも、悲しむことはない。


お前たちはただ与える為に作り出されたんだから。


人権を得る?

与えるだけのただの偽物がそんなものが必要になるはずなんてない。



でも、俺はお前たちとは違う。

俺はルペトに切り離されいまや、完璧な一人の人格になった。

人間と同格の立場にだってなりうることができる。

興味なんてないけどな。


俺が欲しいのは、ルペトの怒りと痛み。

そして、力。


「ペシェ、そのためにお前の力が必要なんだよ...」









後書き


とち狂いアルベドって実はこんなふうに思ってるんじゃないかな?ト思う。
キルシュヴァッサーに対してあんなに激しく斬り付けるのも自分がルペトの一部分だっ
てことかなり気にしてるからでしょ。
彼は何かを傷つけることでしか自分をみつけられないんだもんね。
だって、アルベドはルペトの黒い部分だから。
それにしたって、アルベドは絶対モモに深い感情を抱くと思う。
ルペトが大事にしてるってわかったらよけいなぶりたくなるんじゃないだろうか。
彼は極度のSですね。



2002.03.26