もし君が、空をこえる、
時間をこえる、羽根を持ってるんだとしたら。
僕は、まっさきに逢いに行こう。
長い、長い時間を超えて...。
空間でさえも飛び越えて。
君の声が聴こえる場所まで、飛んでいこう。
それが、僕と君がかわした最後の約束だったから。
そう、僕は子供ながらに君を守りたかった。
君が笑ってくれるなら...。
君がぼくのそばにいてくれるなら。
たったそれだけで。
僕は幸せだったんだよ。
何もなくても良かった。
ただ君を取り戻したかった。
だから僕は君をさがすんだ。
僕には君が必要だったんだ。
姿形や名前が変わってるかも知れない。
記憶はないかも知れない。


だけど。


時代を超えて、世界がたとえ。
滅びたとしても、君は君のはずだから。


だから、さがしにゆくよ.




翼の代わりに...



「おい、こんなものが見つかったぜ」


「あん?なんだこれ・・・。はっ、無理だな」



「「時間を超えるなんて、出来やしないしな」」



研究員らしき2人の男の声が重なる。
一笑された文章。 誰かが、誰かに当てて書いたものらしいように見受けられる。
でも、書いてあることがむちゃくちゃで。
気持ちだけが入った、その紙を受け取らずに去ってしまったのだろうか。


研究員たちは、その紙をダストボックスの中に入れた。
そして研究員たちは再び研究を始める。
その紙を、一人の少年がダストボックスから拾い上げた。
流れるような、紫色の髪。
額には、金の輪っかをはめて。

まだ、10にも満たないと思われる少年はうっすらと笑みを漏らすとその姿を消した。


「おい、いまなにかいなかったか?」
「は?いるわけないだろーが」
「でも、ダストボックスのあたりに気配感じたんだよ」
「気のせいじゃねーの?」


「ここは滅びの世界なんだからよ」


「生きてるやつなんていないって」
「そーだな」

研究員たちは笑う。その声は、少年には届かない。




「おねえちゃんを探すんだ!!」




サラヲ...サガスンダ...!!


ん? 光が...?

これは、タイムゲート!?

飛び込んでしまえ...。
何処へ行くか分からなくても...

そこにサラの手がかりがあるならば...

サラノテガカリガアルナラ...









△/

2001.02.17