星がみる夢...人類がみる夢...〜時を超えた少年〜



光を抜けて、進んだ先にあったものーーーーーーーー。
森羅万象のあらゆるものが、見た夢。
『いのち』の夢。
宇宙に存在するひとつの破片が、星と交わって運命を知る。
『壊れる』夢。
それでも、その運命を知りながらも。
その存在を知りながらも、人は心を紡いでゆく。
遥かなる『進化』ヘの夢をーーーーーーーーーー。
そしてその夢を紡いだかに見える、古の大地。

『原始』

人類が形、創られた世界。
人間と恐竜とが、戦いを繰り広げていた時代。
すべてのはじまりとなる場所。
でも、すでにそこさえもが。
冒されている。

『野望』という名の魔物に。
魔物の力は凄まじい。
すでに死に絶えたのに、その傷跡を深く深く刻んでゆく。

紫の少年は、その大地を歩いて進んでゆく。
残された大地の傷跡。
残された爪痕。
引き裂かれた大地。
その中でも、生活を営む祖先たち。
『未来』のような悲愴がない。
皆がそれぞれ、『夢』を見ている。
その一方で、残る爪痕。
恐竜人たちの居城に、その爪痕は色濃く残っていた。
新たなる、タイムゲート...。
繋がる場所がないはずの、その場所に。
黄色の輝きを放って、輝くタイムゲート。
身を預けたい...身を預けて早くサラを助けに。
でも、繋がってゆく場所が見えない。
すべての世界をまわった今、何処にもサラの意識は潜んでいない。
破壊した数々の時代。
その中でさえも、サラの意識は見当たらなかった。
ほんとうに、消滅してしまった?
そんな、はずはない。
約束を交わした、あの一瞬。

『ジャキ、また逢いましょう』

あんな時でも笑ってみせた、サラ...。
どこかにあるはずだ。
本当に神が存在するなら。
サラの意識が。

サラノイシキガ...。

よし、行こう。

どんな世界か想像もつかない。
何処へ紡がれてゆく光か、想像も出来ない。
それでも、前へ進むことを止められない。
紫の髪が揺れる。
光にあたって、すこし、金色になる。
時空を超えて、今新しき世界へ。


『分かれた途は、いま一度、集められる。
光を集め、星の中に潜む、意識に逢いに。
それが、正しいかどうかなんて分からない。

そこに至るまでの、何十億という歳月と、
無数の、意識が混ざりあい...』






Back music  『歌う山』(chrono Trigger original sound track)


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2002.11.01