王子 VS 店長





その男は手に箱を従えてにこやかに笑うと、言葉を発した。

「先着50名様は、このクジ引いて下さ〜〜い。それで入店の順番を決めま〜〜〜す」

にこやかな彼とはうって変わって、三上の表情が怒りモードに変わった。

「ウオイコラ」

三上は獣みたいに叫んだあと、若菜の首に手をかけた。

「てんめーフザけんな。コラァ。こっちゃ7:30から来てんだぞオウ!!」

血管が額に浮き出るほど、怒りを露にし、若菜の首を絞める。

藤代は、そのようすをいつものことだとでもいうようにのんびりみている。

「前回電車がトラブって遅れましたからね〜〜〜」

首を絞められている若菜は必死に言い訳の言葉を口にする。

「いいいやだって。店長が......」

必死に言い訳をし続ける若菜のクジの箱に、横から手が伸びた。

「じゃあ、ボク引いちゃう〜〜〜〜〜」

クジに入れられた手の先をみると、季 潤慶が。

「やったぁ、いちば〜〜〜〜〜〜ん」

そのクジにははっきりと、1の文字が。

「イイイ 季!?」

三上は、準慶をみて冷や汗を流している。



何てこった。

クジだと!?

いきなっり出鼻をくじかれたッ。

今日の新台は20台。

つまり20番以内を引かないと...



三上は瞬時に計算し、そして焦った。

その焦りが、声にも出てしまう。

「ま まさか先頭で俺が並んでんのをどこかで...。あの店長が見ていて、この処置を..。」

疑いは口から零れ、それは声となる。

藤代は三上の言葉に驚愕の表情をする。

「そんなバカな」

「うら」

三上はいきよいよく若菜のもっていた箱に、思いっきり手を突っ込んだ。

「わあ」

若菜はそのいおいに箱を落としそうになった。

箱を壊しながらも三上が引いたクジの書かれた番号は『10』

三上はそれに満足し、防犯カメラに向かってそのクジをかざした。

「どーだ、コラァ。見たか、コラァァ」

若菜はそのクジを見て、「ひどいクジが...」と漏らした。

藤代はあきれ顔で、やりたい放題の三上をみていた。