「オゥメーカー」
三上は、その奴らに向かって大声で叫んだ。
「獣王より出るってのはホントだろうなぁ」
むしろ、三上の表情のほうが獣である。
メーカーから派遣されてきた社員の風祭は「ひい」と大声で反応し、冷や汗をだらだらと流した。
ヘビに睨まれたカエルのような、そんな雰囲気があたりを包んでいる。
風祭は、必死に三上の表情を伺いながら告げる。
「あ 今日はオール設定ですし、きっとお客さまの期待にそえますよ。爆発もします」
風祭は最後に「えぇ、必ず」と付け加えた。
それでも三上の表情はいまだ、すぐれない。
まだ怒りモードのままだ。
「ウソだね」
まるでホールに響き渡るかのような声で、三上は風祭に言い放つ。
「ココは、ダマシが多いんだよなぁ」
「そっ、そんなー。疑り深いっスねー。ちゃんと店長が...」
風祭は必死だ。
なにしろメーカーにとっては 新台の第一感触次第でお客がつくか離れるか、決まって来るからだ。
そんな風祭の努力もむなしく、三上は追い討ちをかける。
「オイオイ、笑わせんな。アンタら、あの店長の言うこと信じてんのか」
「あいつあ、ヤバいよ。アンタらもダマされてるよ」
そして、三上は風祭をじっとみつめた。
風祭は、三上の言葉を払拭させようと躍起になって弁解している。
「な なんでボクらをだます必要があるんですか。安心して遊んでいって下さいよ」
風祭の視線は明らかに一点へと集中している。
「ちゃんと6もはいってますよ」
三上は聞き逃さなかった。
もちろん、その風祭の視線がどこをみているのかも見落とさなかった。
三上はきゅうに風祭の視線のほうに歩き出す。
風祭は、アレほど喰って掛かってきていた三上が急におとなしくなったのに驚いた。
「えっ」
「クックックッ。ありがとさん」
三上は風祭の視線が注がれていた二つの台の前に立つ。
あきらかに風祭は焦っている。
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