三上は、二台のサイバードラゴンの前に立つと意気込んで言葉を放った。
「見たなぁ、ここらへんを」
風祭はさらに大量の冷や汗を流し、おびえつつも言う。
「ええっ。み 見てないですよっ」
しかし、三上はそれを無視し、お得意のアドリブを使う。
アドリブと言っても、正直なところ三上のカンなのだが。
とくに”2つから1つにしぼる”という場合に、三上のアドリブは絶大な効果を発揮するのだった。
「ここでアドリブが効かん奴は...勝てねエッ」
そして三上は指先を右のサイバードラゴンに向けた。
「こっちだオラァ」
どうやらその台が当りなのか、風祭は今だ、三上の後ろで叫んでいる。
「見てませんよッ、見てませんからッ。ボクはそんなトコッ」
そんな風祭をやはり無視し、三上は悠々と打ち始めた。
その表情は、とても晴れやかだ。
「貴様に、もう用はない...去れ...」
言葉を優雅にかました、三上の後ろをクジ引きで漏れた藤代が酷い表情でのぞく。
「秘策ってまさかコレっスかッ」
叫ぶ藤代を尻目に、やはり三上はフッと笑ったままでボタンを押し続ける。
そのころ、店長室では松下が西園寺に向かって叫んでいた。
「おおッ、サイバーの6ゲットしおったぞ、こやつ」
西園寺は、それをただ笑ってみているだけ。
三上はあいかわらず、サイバーとにらめっこをしていた。
「ダブルチャレンジのAT3000Gも気になる所だが...俺は、俺のアドリブを信じるッ。サイバードラゴンだッ」
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