獣王五箇条。





「こりねぇなぁ、テメ−らも...。この俺が来てんのにトップ狙うとは...」

人だかりの中でもひときわ存在感のある彼らの中において、ひるむことなく三上はシニカルに笑うとツバサを挑発するようにみつめた。

「この店さーなぜかソルマックおいてあんのよねー」

ユンギュンだけがその場の雰囲気さえ感じずに自我を貫き通している、が、そのほかのツバサ、杉原は三上の勢いに押されつつあった。

「だがまぁ、テメ−らが南口にいることはホメてやる。今、北口にいるやつはバカだ」

三上はくわえていたタバコを手にもってゆうゆうと笑った、今回も自分の勝利を確信しているのだ。



その三上がバカと言い切った北の入り口には、三上のツレというよりは子分化している藤代ことホクロの姿があった。

「ゴールドカードかー。ほしいよなーーーーーーーーー」

藤代は最前列に並んで、手に握りしめた紙を眺めうっとりとしている、紙には「獣王 王子の5カ条」と言う文字が踊っていた。




其の1 店選び

通常時とイベント時の出玉の差を知れ!!

其の2 台選び

シマのカドを出す店か真ん中を出す店か知れ!!

其の3 周囲の状況をよく把握しろ!!

其の4 6の打ち方

6とみたらブン回せ!!

其の6 アドリブ!!!!






藤代はそれをみてにんまりと笑った、今回こそは王子やその周り(ユンギュンやツバサ、杉原)と張り合おうとしているのだった。

「王子サンに土下座しまくってゲットしたこいつがあれば...ゴールドカードもユメじゃないよな。ぐふふ」

それを遠巻きに見ていた客の一人が藤代には聞こえないほどの声で何事か呟いた。

「...ほーなるほどねぇ」

一人は感心し、うなづいた。が、隣の客は藤代の手に持った紙を凝視し、黙っている。

「...........」

と、藤代は今更ながら三上や他の連中がいないことに気付き愕然とした。

が時すでに遅し、後ろの客の意味深なつぶやきと共にゴールドカード、いやトップをかけた熾烈な争いがはじまりを告げた。

「ま....あの5カ条......カンジンなのが抜けてるがな...」

「お待たせしました。開店で〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜す」