開店の知らせは三上たちのいる南入り口でも同様にされた、皆一斉に走り出す。
「さぁ、チケットいただきね〜〜〜〜〜〜〜」
「いくぜ、いくぜ」
「チケット〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
店内になだれ込むともう、北口からの人もなだれ込んできている。三上は、ソッコーでいつものアドリブをはじめた、しかも、走りながらである。
「この広さに大量の人人人、のんきにアドリブ台選びなどと言ってられぬ」
三上は、中央通路ぞいに面したカド台のニ台を選ぶ。
「ロックオン、あのニ台。...走りながらアドリブが...効かないようじゃあ」
三上は頭の中で昨日の出玉うんぬんを確認する、同じ台を狙ってユンギュンも走り込んでくる。
「ハイココーいただ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
ユンギュンが台獲得の声を上げた瞬間、三上はユンギュンを突き飛ばしてその台を奪った。
「ここだオラァ!!」
三上のトップにかける執念はこの店にいる誰よりも飛び抜けてスゴかった。
一方、杉原はひとり戸惑い出遅れていた、今まで夕方から閉店時までといったカタチの、いわゆる出ている台のハイエナしかしたことがなかったからである。
冷や汗を顔中に浮かべ、一台一台データーを確認する、もちろん出玉やビックの回数などは前日の閉店時に確認済みなのだか、どうにもこうにも再確認しないと不安でたまらないのだった。
そうして、ようやくみをつけた台も金をいれようとした瞬間にツバサがその台の前に出てきてたった。
ツバサは振り返ると杉原に向かってにこやかにアイドルスマイルをみせたが、次の瞬間表情を一変させた。
「まるで、この台はあたしのもんだ、さわんじゃねぇ」と言っているようにみえた。
杉原は、すごすごとその台を離れる、その後ろではツバサがにこやかに手を振っていた。
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