「おい、エイシ様のガードがいなくなったって聞いたか?」

「は?様が?」


スピラ中に駆け巡った噂。

ビサイド島からみんなの期待を背に旅立った、天才肌の召喚士エイシ。

数多く存在する召喚士たちの間でも一番の実力と人気で、必ずエイシがナギ節を起こすと民衆は信じていた。

だが、そんな召喚士を支えるガードのがエイシの前からこつ然と姿を消した。

たったひとりのエイシのガード。

そして、彼女はその数日後。

召喚士として再びあらわれた。







guadian  force  prologe







「召喚士、です。祈り子様に合わせてください」

スピラ特有の、挨拶を僧侶とかわした少女は顔をあげるとにっこりと笑った。
彼女は、ほんの10日前に召喚士エイシと連れ立ってこのボルトキーリカの寺院をあとにしたばかりだった。

その少女がガードではなく召喚士としてもう一度寺院の扉を叩いた、それはスピラのすべてのひとびとが予測し得なかった事態であった。

もちろん、寺院は正式な召喚士の称号を手に入れたをこばむはずがない。
僧侶は首をかしげながらも10日前とさほどかわらない少女に試練の間への扉を開いた。

そして、後ろに続くガードをみて僧侶はさらに驚いた。
彼女は後ろに伝説のガード、カツロウを従えていたのだ。

カツロウは、前回のナギ節を起こした召喚士のガードだった人物だった。
その実力は、ガードとして最高と称されており、旅立つ召喚士はこぞってカツロウに
ガードを頼みたがった。
しかしいままで、どんな召喚士の依頼にもカツロウは首を横にふり続けてきた。
もちろん、エイシも旅立つ前にカツロウに依頼したひとりだった。
しかし、答えは他の召喚士のときとおなじ。
『自分が戦う理由が見出せない』という理由で断られた。

そんなカツロウがなぜかのガードを引き受けた。

これだけでもすごいことなのに、更にはたった三時間弱で試練の間から出てきた。

しかも、きちんと祈り子様を手に入れてである。

その時間の短さに僧侶たちは驚いた。

天才肌と世間一般から絶大な信頼をよせるエイシでさえも八時間切るのがやっとだった試練の間なのに。
それは、歴代の大召喚士たちでさえもなし得なかった所業だった。
僧侶たちが、驚きと期待の目で見守る中、は休むこともなく寺院をあとにしていった。

エイシと別れてからたった10日。

その間には三体の召喚獣を手に入れていた。
驚くべきスピード、そして。
彼女が召喚士になった理由。

全てはまだ見えない闇の中に包まれていた。













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2001.09.17