できることなんて、ひとつもない。











guadian  force  One.02











シュースケさんは、を見るとすぐに僕に向き直った。




「彼女は、召喚士だね」


その言葉の意図が分からず、僕は曖昧にうなづく。

風が大気を震わせ、波をたてはじめる。
重くのしかかるような圧迫感。



先に口を開いたのは、やっぱりシュースケさんだった。


「僕に何をして欲しいの?ファイアで彼女を燃やして欲しいの?悪いけど。それなら出来ないよ。僕は召喚士じゃないから」


冷めたその声に、僕は怒りが込み上げて仕方なかった。



は死んでしまったのに。


召喚士もいないのに、救う手立てはこれ以外ないのに。

異界に送れる力をもったこの人は、それを嫌と言う。



なにひとつないのに。




「ど、してですか」


押さえた声でシュースケさんにたずねる。

いま、この間にもの体躯は魔に負かされて。


「どうしてやってくれないんですかっ!」


感情にかまけた声がシュースケさんに向かって放たれる。
シュースケさんは目を細めたまま微動だにもしなかった。



「それは、僕が召喚士じゃないからだよ。...君は僕が召喚士を異界に送ったって聞いたんだよね?...だけどね送ったけど、確かに送ったけどそれが今回もできるとは限らない。むしろ僕は成功しないと思ってるよ」


そして、シュースケさんは僕を真正面から見据えて言った。








だって、このコは僕にとって何も知らないコだから。







放たれた言葉に胸が苦しくなる。

シュースケさんの言うことが分かる。
けど、をこのままモンスターにするなんてできない。
絶望につつまれた僕に、再びシュースケさんが口をひらいてくれたのは、そのときだった。



「ただひとつ、100%じゃないけど方法ならあるよ」



その言葉にもちろん僕は身を乗り出した。


を自由にしてあげたい。


僕の素振りにシュースケさんの口が動いた。



まるで、一生のように感じられた。



「...僕の代わりに君が魔法で彼女を灰にする。...それならもしかしたら彼女の魂が幻光虫に変わってくれるかも知れない。どう、やってみる?」




提案に反論なんて出来なかった。

僕は一もニもなくそれに飛びついて、
そして、祈りを捧げ呪文を唱えた。



大気がちりちりする。


雲がながれていく。


熱が浮遊していく。



ボッと鋭い音がしてサクラの身体は炎に包まれ散っていった。


途中、光に変わりながら浮遊し終えた。



彼女は、光になった。











涙が               あふれた。





















/▽




追記**


不二のlibaration以来、ずっと書きたかったお話。
前回は不二が召喚士を異界送りしましたが、あれは正式な方法ではないので失敗することもあるなぁ...と思って、
だから今回は長太郎と『召喚士でもないのに異界送りが出来た伝説の黒魔道士の不二』を出会わせたんです。で、サクラちゃんを送るのは長太郎がすると。
だって、lenの中では異界送りってのは相手のことをどれだけ考えてるかで決まってくるものだというのがあるので。

とっても、難しい題材でしたがまぁ、上手くかけたかなァと。



image  song  FINAL FANTASY  ]『極北の民』『異界送り』






2003.05.30