嫌いなわけ じゃない


好きなわけ じゃない


だから、だけど。












tear**01














こんなのホントは願ってなかった。

人と同じように恋をして、跡部を好きになった。

ただそれだけだった。
他に意味なんてなかった。


なのに、気付けばあたしたちはタダの不毛な関係になっていて。
望んでないカタチになっていて。



キスしたり抱きしめあったりセックスしたり。



好きの気持ちはどこかに追いやられて、ただそれだけになってた。

ソコには愛なんてなかった。
これじゃぁ、ただの動物と同じ。



好きで一緒にいたくて、キスしたりしてたのにね。
今のあたしたちは心を置いてきたサイアクの結晶。



だから言うよ。



嫌いじゃない、けど。



好きじゃない、から。





「もう、この家には来ない」






熱の残る部屋、ベッドの中でだらけてる跡部に呟く。
帰る準備するあたしに目なんてくれない。




わたされた、鍵置いて。




「...本気か!?」




そこで、はじめてぶつかりあった瞳。

どうして、そんな捨てられる犬みたいな瞳でみるの。

お互い『好き』なんてとっくにないじゃん。


そんなの分かってるくせに、分かってるくせに。




「うん」




返事ひとつ残して、部屋を出た。








むねのあたりが苦しかった。
































△/



追記。

曲が元で出来たドリーム。
前半と後半、ビミョーなのは前半スランプ中に書いたから。
後半は上がり調子の時です。
続きます。




image song   globe  『TIME-without tears-』



up date:2003.05.26