天はニ物を与えないと言った。
だけど、オレの手元にはかくじつに 命と同じだけの
ニ物のかけら、天使がいた
endless future.01
「景吾ちゃん、景吾ちゃん」
オレを呼ぶ高い声がひびいて、案の定が20メートルほど先にみえた。
ふりかえったその目に飛び込んできたのは、走り出したの勢いよくこける姿。
オレはわざとらしくためいきをついて、に向かって歩いた。
を起こしてやりながら言い聞かせと言う名の注意をする。
「落ち着いて歩けよ、。オレは、逃げねぇんだから」
オレの肩くらいしかない背。
背だけじゃなくて、腕や足も細っこくてすぐに折れちまいそうだった。
当然、ムネもない。
ガキって身なり。
オレはそんなの茶っこい頭を撫でてやりながら、兄みたいに聞いてやる。
「で、どうしたんだ?」
はうつむいて視線をずらした。
迷惑をかけてるって思ってるらしい。
みなれた光景に、誰も何も言わない。
それは、とオレが幼なじみだとかそんなのより、ずっと前に。
男は小さくて守ってやらなきゃいけないの魅力を察しているからで、女にとってはスタイル的にもガキって言葉だけで片付けられそうなコイツに、オレが惚れるわけないってタカをくくって高みの見物を決め込んでいるからで。
でも、オレはみんなの予想に反して。
のことを愛していた。
スキなんて軽いもんじゃねぇ。
そんな言葉で伝えられるもんじゃねぇ、片付けられるもんじゃねぇ。
オレにとっては世界さえものためにあるようなもので動いてるようなもんで。
に傍にいてもらえるならなんでもした。
が望めば、ディズニーランドにもいっしょにいった。
いっしょにいてやりたかった。
が笑えば何よりも強くなった気がした。
だから、幼なじみが崩れるのが怖かったオレは。
カンの鈍いにオレの本性を悟られないようにまわりの目をあざむくために、一応彼女をつくって、やりすごした。
の身を守るため、オレのにぶつけられない行き場のない思いを処理するためでもあった。
オレはを想いながら他の女を抱いていた。
そうすることでしか、を想えなかった。
「あのね、今週の日曜から数学教えて欲しいんだ」
ダメ?と、小首をかしげるの姿にオレは心拍数が急上昇するのを止められなかった。
ふたりっきりで勉強をすること、それはにとってなんでもないことでも、オレにとっては我慢の連続で。
へのばくはつしそうな思いを必死に押さえていた。
「...期末近いからだろ、いいぜ」
その言葉に、はほっと一つため息をついて笑ってみせた。
「ありがとう、景吾ちゃん」
心の中では、複雑な感情がもやもやとからみあって暴発しそうになっていた。
△/▽
追記**
一話めなのに、3回も書き直したendless
future!
他はボツになりました。(涙)
ちなみに、これは2回目のを書き直して出来ました。
3回目に綴ってみたのは、まったくばしょも違いました。
あ〜〜ん、三国志のせいだ!
image song globe 『DEPARTURES』
up date:2002.12.17