endless future.10
「けぇごちゃ...ん...」
また、見開かれた瞳。
別になにもリキむことも病むこともないのに。
ひるむこともないのに。
そのの姿に条件反射のように目を逸らしてしまった。
沈黙が部屋を支配する。
ただ、感じるのはの視線。
痛いほどの視線に体中が熱くなる。
しばらくそのまま経って、先に口を開いたのはだった。
視線がそらされたのが感覚で分かる。
「ちょっと話したいんだけど、いい・・・?」
ふるえた声。
オレは思わず拳を握った。
もしかしたら返した言葉もふるえていたかも知れない。
情けねぇ話だけど、笑っちゃうけど、そのときは一杯一杯だったんだ。
「...あぁ」
オレはベットに腰をおろした。
もとなりに座ってくる。
気配を感じたオレの身体は、もしかしたらびくついたかも知れない。
前までは、いつでもとなりに座っていたのに。
再び沈黙が部屋を包んだ。
空気だけが重さに震えている。
「あのね、景吾ちゃん...ね...良く分からないの...
体育座りをしてひざをかかえては視線をフローリング落とした。
言葉がぎこちなく紡がれ続けていく。
「景吾ちゃんが他の人とお話してたとき、すっごくイヤだったの。...キスしてたときもね、イヤだったの。だけどね、なんでイヤなのか分からなくて...困って...伊織ちゃんに全部言ったの...」
オレは目線をに向けることが出来なかった。
何が聞こえてくるか分からない、聞きたいけどきけない、耳を塞ぎたい。
そうしたらね...伊織ちゃん、笑って言ったの。
...そんなのかんたんだって。答えは出てるって。は景吾ちゃんがすきなんだって...
が顔をあげたのか視界の隅に映った。
だけどね、...分からないの...景吾ちゃんをすきなのか分からないの...
カオが向けられる、にみつめられてる。
みじろぎひとつできなかった。
視線はのかわりにフローリングの床だけをみつめて...。
みつめつづけて。
どうしたらいいのかわからなかった。
言葉なんて思い付かなかった。
そしたらね、伊織ちゃんが景吾ちゃんに逢ってこいって言ったの...逢えば何か分かるって...だからね、、来たの...」
途切れた言葉にきっとオレのすることはひとつしかない。
言う言葉はひとつしかない。
「で、答えは出たのかよ?」
まるで死刑を宣告される囚人みたいだ。
落ち着いてる振りしてるけど、ドンドンと打ち付けてくる。
「うん...あのね...
、景吾ちゃんの傍にいたいの...いままでみたく、一緒にいたいの...
付き合うとか、そういうのわからないけどスキなんてやっぱり分からないけど...一緒にいたいの...」
きっと、そうそれはからのはじめての...言葉。
「じゃぁ、いろよ。答えが出るまで傍にいろ」
そうして、ずっと其処でオレを。
オレだけを、みててくれ。
それはオレの未来への祈り。
のもたげた頭がオレの肩にぶつかった。
△/▽
追記**
乙女チックラスト。
っていうか、lenってどうしてラスト無意味にいつも長いんだろうね。
さて、これ書いたからex書けるな!(でもそのまえに、笠井の連載終わらせないと!
/開花宣言またやぶっちゃう!)
image song globe 『DEPARTURES』
up date:2003.03.01