あたしは、きっと 一生 どんなことがあっても


あのときの、君の言葉を 忘れられない。












.08









「・・・お前に逢いに来たんだ・・・」


心臓が、はねるなんて嘘って思うくらい嬉しさで時間が止まった気がした。






なのに、すごく嬉しかったのに。




口唇からこぼれたのはそんなこと全然におわせない、伝えられない言葉で。



「・・・あたしに逢いに・・・?」




あたしは、そんな自分の態度に嫌悪すら感じながら、覚えながら景吾をみつめた。










意図がわからなかった。








逢いに来てくれただけで理解できるほど、単純じゃなかった。





沈黙が全てをのみこもうとしていた。






「・・・そうだ、お前に逢いに来た。俺の気持ちを伝えるために」









どくん・・・と、心臓が震えた。









恐怖と動揺と好奇心があたしをうめつくす。


景吾の言葉が、心が読めない。















、俺とまた付き合ってほしい。









それは、その言葉は、音は。


ほしいと願いつづけた、祈りの言葉。




いいたいことはたくさんあるのに言葉が出ない。


音があふれない。




ぽかん・・・としているあたしの前で景吾は笑ってみせた。






それは付き合っていた二ヶ月には一度もみられなかった、極上の笑みだった。



誰かの手が肩をたたいた。


周助だった。




「周助・・・」





周助の瞳が、あたしに無言の言葉を投げてくる。










あたしの瞳から、本日何度目かの涙が




あふれた。








































「景吾・・・・・・・・・・・・・」






















/▽



追記**



なんとか完結。
長かったなぁ。
でも、なんとなく気に入ってます。


image song t.A.T.u.『STARS』



up date:2004.10.16