すべてのはじまり...



次についた世界は、あの忌わしい呪われた世界だった。
全ての計画を壊し、破滅させた奴らのいる、現代ーーーーーーーーーー。
あいつが...。
クロノさえ現れなければ。
クロノサエアラワレナケレバ...。

サラと同じ、ペンダントを身につけた女...。
あいつが、サラの...血を引く...?
サラがいないのに、血なんて引く必要ないんだよ!!

それから、あのメガネの女。
研究者だかなんだか知らないが、計画を破滅に追いやったブレーンはあいつだ。

揃いも揃って邪魔しやがって!!

なにが、ラヴォスを倒すだって?
倒して、世界は元に戻ったか?
全てが元通りになったか?
なってないだろ。
サラがいなくなった。
サラがいないのに、全てが元通りなんて喜んでるバカども...。

「制裁だ。自分達のしたことを悔やむがいい」

紡がれてゆく、怒りの音。
言葉に変えて、吐き出す。

『黒き霧よ!!紡がれし声色に耳を傾けるがよい!!その力で全てを覆い、飲み込みつくしてしまえ!!消え往く思いも全て飲み込んでしまい、絶望と言う名の記憶を刻み込め!!ダークミスト!!』

紡がれた声。
突然、上空に黒い霧が発生する。
霧は、リーネ広場からトルース村にかけて広がって覆いつくしてゆく。
聞こえる悲鳴。
クロノやマールの姿がない。
あの正義感だけ強い小僧たちは、姿を見せない。
まさか...!!
広場ですれ違った、女の言葉を思い出す。
「結婚したのにねぇ...若かったのにねぇ...死んでしまうなんて。王妃様もクロノ様もついてなかったねぇ」
信じられなかった。
世界を、破滅に追い込んだやつらが死ぬ?
サラヲ、ハカイシタヤツラガシヌ_________?
冗談じゃない。
息の根をとめることは、俺がする。
あいつらは生きてる。
サラヲ、ウシナワセテオキナガラ、アイツラハシゼンニシンダノカ?
サラハ、クルシンデルノニ...........。
クルシンデルノニ________________。
「ふざけるなっ!!」
死ぬなんて許さない!!
クロノの息の根は、俺がしとめる。
ダークミストの霧が消えてゆく。

トルース村は、ほとんどが苦しそうに助けを求めていた。
直らない傷...。
深く刻まれた恐怖。
味わったのと同じ...。
サラを失った時に、俺も味わった。
お前らだって、味わうべきだ。
苦しめ、苦しめ!!
「恨むんなら、クロノを恨むんだな」
アイテム屋で倒れていた少年の耳もとに呟く。
少しだけ動いた手...。
「ほう、生きているか...まぁ、いい」
所詮、無駄なことだ...。
少年は、紫の髪をなびかせ、その場を立ち去る。

霧が及んでいないガルディアの森。
タイムゲートの光の在り処。
この光をくぐれば、次の時代へ進むことができる。
行く先は、想像がつく。
「壊れた時代か...。いいだろう。全てを破壊してやる」
少年は、光をくぐる。
次の世界を破壊しようと決めて_________。




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2001.05.31