あぁ、こんなことになることくらいほんとはずっと予想できてたんだ。
endless future.03
何気ない仕草だった。
感情なんてそこにはなかった。
だって、いつも心はのそばにあったから。
だから、カノジョがゆっくり唇を近付けてキスを迫ってきたときも、ドアが音を立てずに開くこともぜんぜん考えてなかった。
無心で答えたキス。
キスなんて呼べない、ただの口付け。
ふれあわせただけのソレを止めたのは、おかしいくらい広がる晴れ渡る青い空なんかじゃなくて、の
ふるえた
こえ。
「景吾ちゃ...ん......」
煥発開けずに鉄製のそのドアをみる。
の目はみひらかれていた。
「...」
オレは、馬乗りの格好だったカノジョを突き飛ばすようにどけて、のところに走った。
同時に、にしては素早く逃げるようにドアをしめた。
遮断された世界。
しまる前にみえた、の怯えた瞳だけがリフレインする。
もどかしい気持ちに襲われながらドアをあける。
当然のように、もうそこにはの姿はなかった。
「景吾、どうしたの」
カノジョが寄ってくる。
だけど、もうなにもかんがえられなかった。
「うるせぇ」
となりにいる女なんてどうでもよかった。
にかくしておきたかったオレを知られた。
やさしいおさななじみのオレは、の中から消えた。
このあと、どうなってしまうかなんてもう分からなかった。
ただ、の笑顔をみられないことだけが、
ただ、それだけがオレに分かる全てだった。
△/▽
追記**
好きな相手にはいい自分しか見せたくないもの、ですよね。
拒絶はある意味、意識にも繋がっていくものなんですが・
image song globe 『DEPARTURES』
up date:2002.12.28