あの日、キミはオレに光をくれた________












of itself...02












忘れもしない、あれは中学二年の始業式。

学期はじまりであたらしい年度はじまりで、部長に指名されたんだから頑張ろうって落ち着いていこうって重いながらも何処か浮かれた気分のオレがそこにいた。

去年まではすこし不格好だった白の学ランも、もうピッタリとはまるようになっていて、それがどことなく嬉しかった。

テニス部は、入学式に参列してる伴爺をのぞけば全員がコート内にそろっていて、オレの号令を待っているはずで。

オレは、少し早足で部室への道を歩いていた。


校舎と校舎の中程、中庭からは白と桃の中間色が綺麗に咲き乱れていて、その姿に一瞬瞳を奪われた。

舞い散る花びらたちに視線を泳がせてみる。


と、辿り着いた先にいたのは、同じように風に身をまかせた感のある少女。

薄い茶色の、でもどことなく上品な。

その姿に、オレは一瞬で瞳も心も奪われて。

その日から、ずっと彼女に恋い焦がれていたんだ。

ふっとかち合った瞳に、彼女は丁寧におじぎをして、ふわり笑ってくれて。




だけど、だけど。


勝手に大きくなっていく鼓動を止められずにオレは。

ぶきっちょにかぶりをふると、ただただ部室までダッシュした。



脳の中にいまでも甘いキオクとして残る、その出逢い。

次にオレたちがあったとき、キミは。

そんな一瞬のことなんて、ぐうぜんなんておぼえてなくて。

そして、キミは違うやつのとなりにいたね。

キミにとって絶対的なヒカリ、オレンジのすく傍に。














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追記**


純なみなみしょうねんに似合いそうな出逢い。
ドキドキしてダッシュするなんて激カワvv




image song Lyrico『キセキノハナ』


up date:2002.12.11