ちょっと考えたら分かることだった。

イヤな予感、それなら前からあったのに。

アイツがただで聞くようなヤツじゃないって、ちょっと考えたら分かることだったのに。










prayer.02











あたしは、自分の浅はかな希望のために、叶えてくれそうな相手を呼び出した。

氷帝のテニス部のトップ、跡部 景吾。

規定とはいえ、亮を落とした、ヤツ。

...だから、あたしはよけい跡部が嫌いだった。

一度もいい噂聞かなかったけど、絶対君主みたいなヤツで、その姿に他のコがときめいているのも騒いでいるのも知ってた。

あたしは、亮しかみてなかったから、カンケーないんだけど。




でも、その場で気付けば良かったね。




何を言われるかちょっと考えれば良かった。





どんな交換条件だって飲み込んでしまうほど、あたしは追いつめられていたのに。




放たれた言葉に、気付かない訳なんてない。



バカみたいに晴れ渡った空に二人。
太陽に透けた髪が気味悪いくらいに綺麗だったっけ。

ねぇ、ととのったカオも、キレイなラインも全て。
自分をみせてないだけなんでしょ?

「...なんだよ、用って」

エラそうな態度。
それも全部かぶったもののくせに。


「宍戸のことなんだけど」

太陽で出来上がったかげが少し形をかえた。
痛いくらいの視線が、堕ちてくる。

「...レギュラーに戻してよ」




ねぇ、一言だったね。



あたしと亮が離れてしまうのは、たった一言だった。
















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追記**


やっぱりすすまないくそったれドリーム。
宍戸のしの字もでてきませんね。
つーか、すすまない。



image song  globe 『seize the light』


up date:2002.11.17