みじめだった。

泣きたかった、さけびたかった。

只、よぎったのは___亮の表情。










prayer.04

















テニス部を、亮を信用しきってる母さんを言いくるめて飛び出した先は、仮面をつけた、アイツの家。

オートロックのそのマンションの一室を与えられて、アイツは王様然とあたしを招き入れた。

「来ないかと思ったぜ」

(来ないなんて言えないなんて分かってるくせに)

あっけらかんと吐き捨てるようにいう跡部に、体中の熱が沸き上がっていくのが分かった。

でかかった罵倒の言葉をのみこんで、黙って跡部に従う。

「シャワー浴びて来いよ、まだ夜ははじまったばっかだぜ」











跡部の長い指先が、ショートカットの細い毛先を弄る。

あたしを組みしく腕は細いのに力強い、そして不思議なほどやさしい。

髪に触れていた右手が、するり頬をなぞって首筋に触れる。

一瞬、ぞくぞくするような感触、そしてすぐに優しい暖かみに変わった。





ねぇ、見下ろす瞳はなんて冷たいの。
どうして、指先はそんなにやさしいの。
逃げたりなんて、できるわけないこと知ってるくせに。

もっと乱暴に抱かれてしまうんだって悟ってたのに。



「ダセーな、ふるえてんのかよ」




ねぇ、冷たい言葉、なのにどうしてよ。
そんな言葉なのに、どうして。
そんなにやさしくさわるの。



あんたがわかんないよ、あたし。



それでも亮が笑ってくれるなら、喜んでくれるならあたし。
それで、しあわせだったの。

どんなに跡部がやさしくふれても、あたしが跡部としたことは、かえようがないから。


かくしようがないから。


ごめんね、亮。


ごめんね...。














/



追記**


lenさん、エロかくのダルいので途中でヤメ。
でも、最後までヤってますよ、やつら。




image song  globe 『seize the light』


up date:2002.11.20