ねぇ、あたしはたしかにここに存在（いる）よ。


アイツのぬくもりに身を委ねても、いいの？

prayer.07

あの日以来、あたしは常に跡部の傍にいるようになった。

亮との接触はなるべく避けて。


そっぽを向かれるって覚悟してた、突き放されるって思ってた、その跡部は意外にもなにも言わないであたしが傍にいるのを了承してる。
黙認してる。

求めた助けに諸手をあげて歓迎するわけじゃない、してくれるわけじゃない、だけど拒否はしないで、ただ傍にいることを許してくれる。


あたしにとって、それがどんなに嬉しくてどんなに大切なことだったか。

必要なことだったか、跡部は少しでも感じているんだろうか。
分かっているんだろうか。



亮のレギュラー復帰のために約束通り、ううんそれ以上の力で答えてくれて土下座までしてくれたしてくれた跡部。


亮は、そのおかげでレギュラーに戻ることが出来た。

鳳君と組んで、あの忍足・向日ペアを倒してしまえるほどの力を身につけた亮。
手に入れた亮。

あたしのみたかった亮がそこにはいる。

あたしがそばにいたいって望んだ亮の姿がそこにはある。

あれだけ、一緒にいたい、傍にいたい、笑ってほしいって望んでた、キラキラした亮。


なのに、今は亮のことを想う心に少しだけ違う影が混ざってきているのをいなめない。
ごまかせない。



跡部　景吾。



やさしいのか、やさしくないのかヒドい男なのか、なんなのか全然わかんない。
理解出来ない。

こうしてとなりにいても何も言わないし、むしろ気を使ってくれたリさえする。

あの日の夜の、つきはなす言葉と触れた手のギャップ。
それが、アンタの本当なの？

ぶっきらぼうな、冷めたような、言葉。
どうでもいいって言わんばかりの瞳。


ねぇ、アンタは何を考えてるの？


アンタの瞳にはなにが映ってるの．．．

あたしを見据えた瞳。

あたしに触れた手、あたしはアンタのどっちを信じたらいいの．．．


アンタを信じてもいいの．．．




あたたかいぬくもりを信じてもいいの．．．


















△/▽

追記**



ヒロイン、跡部の意外性（二面性）に気付く。
次回ひとまずエンディング。
あと、ニ話くらい追加があるんですけどね。



image song  globe 『seize the light』


up date:2002.11.23