しょせん さみしかったのはあたしだけ


考え深かったのもあたしだけ


それでも




泣いてもいいよと言ってくれるこの場所は

でも、でもあたしの欲しいものじゃない


















.02











「すごい顏してるね、


昼休み、ごはんも食べられずにぼーっとしていたあたしに周助がいつもの笑顔で話しかけてきた。

「あはは、そんなスゴい?」


ふざけてこたえるあたしに、やっぱり変わらない笑みで周助は背中を押す。


、天気いいし、屋上いこうか」






15段ある階段を昇って、外界を遮ってる鉄の扉をあける。

ギイイとひびいて、フェンスと空と灰色がすがたをみせた。
憎くなるくらいのすみきった空。
まっしろなくも。
きんいろの光とおだやかなオレンジの日差しがふりそそぐ、楽園にほど近い場所。


「きもちのいい日だね、


まっすぐにのばしたうでを下ろしながら周助はなんともなしにつぶやいた。

「で、周助。まさかただのひなたぼっこにきたんじゃないよね?」


イライラなんかかくしてられない、かくせるほど人間できてない。
「もし、そうだったらあたし教室戻るから」と冷めた声で告げる。


たいようの光があったかいとか空がすんでるとかくもが流れてるとか そんなのホントどうでもいい。
そんなのいま、まったりとみれるじょうきょうでもないしふんいきでもきもちでもない。


「ちょっとおちつきなよ」

となり座って。とコンクリを示される。

しぶしぶ腰を下ろす。

スカートから伝わるコンクリがひんやりと冷たくて泣きたくなる。

まるであたしのいまの心の状態みたいだ。



「きのう、二ヶ月目だったんでしょ?」


予期していなかったその直球に、持っていたケータイがごとりと音をたてておちる。
思わず伏せていた瞳をあげる。
周助がおぼえてるなんておもってなかった...


ふいに昨日の景吾のカオがよぎって胸がいたくなる。

思い出したくなんてないのに...忘れてしまいたいのに。
二ヶ月前と同じように、なかったことにしたいのに。


「覚えてたんだ、周助...」


拾ってもらったケータイを受け取りながら、言えたのは只それだけ。


周助が横でかすかに首を降る。


息がうまくできない、言葉が言えない。
心が景吾でいっぱいになっていく、おいつめられる。


「...じゃぁ、分かるでしょ!?今誰ともいたくない...話したくないひとりにして」


もう、声がすでにふるえてた。
とめられなかった。

やばい、泣きそう...。

ふるふるとかみをふってこらえようともがく。

「...一人になんてできるわけないじゃない。いつも一緒にいたんだから、話してよ。の、跡部に言えなかった気持ち、僕がきくから」


肩をぽんとやさしくたたかれて、反動で涙がひとつぶコンクリに落ちた。

それは雨のように足下に広がっていった。






















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追記**


ビミョーだよ、なんか。


image song t.A.T.u.『STARS』



up date:2003.06.09