強いあたしでいたかった。
アイツと対等であるために。
.03
あたたかさに、ほっとして涙が止めどなく落ちていく。
なにかあるたびに周助はすぐ気付いて話を聞いてくれた。
いつでも、となりにいてくれるやさしいおさななじみ。
安心感が言葉になって降り積もる。
つたえることのできなかった跡部への気持ち。
「さよならなんてしたくなかったんだよ...?たしかにあの日、付き合いはじめたのは、かすかな興味からだったけど...さよならなんてしたくなかった...
跡部が、景吾のことがすきだった」
かるくうなづいて、背中をさすりながら話を聞いてくれる周助。
「けど、すきになればなるほど”期限”と”真実”が広がっていって、つきつけられて...こんなに好きなのにスキでいてもらってるのに、どうしてダメなんだろうっていっぱいになった...。婚約者なんて彩葉さんなんて捨てちゃってよ、あたしだけを あたしをスキっていって...欲しかった」
コンクリに広がったしずくが水たまりみたいになってる。
顔がぐちゃぐちゃになってるのもかんじる。
ひどいの、こんなの周助にしかみせられない。
漠然と重いながら言葉をつなぐ。
「でもね、そう思うのに、いつだってそう思うのに、言えないの...言えなかったの、『今すぐ別れよよう』って言われるの怖くて、嫌われるの嫌で...だったら残りを一緒にすごせたほうがいいって思ったの...」
「そうだね、僕もそうしたと思うよ」
の立場だったら、とつけくわえて、周助は笑った。
まわしていた手があたまにおかれてぽんぽんとなでられる。
「苦しかったよね、。でも、もういいんだよ。我慢しなくて、泣いていいよ、傍にいるから」
しゃくりあげるのがとまらない。
耳には五限目の予鈴がひびいてくる。
たちあがろうとしたあたしを制して周助は笑ってくれた。
かなしくてかなしくて 周助の中に飛び込んだ。
△/▽
追記**
これじゃぁまるっきり不二ドリだよ。
次は跡部出てきます。
image song t.A.T.u.『STARS』
up date:2003.06.10