強いあたしでいたかった。


アイツと対等であるために。


















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あたたかさに、ほっとして涙が止めどなく落ちていく。

なにかあるたびに周助はすぐ気付いて話を聞いてくれた。
いつでも、となりにいてくれるやさしいおさななじみ。

安心感が言葉になって降り積もる。

つたえることのできなかった跡部への気持ち。



「さよならなんてしたくなかったんだよ...?たしかにあの日、付き合いはじめたのは、かすかな興味からだったけど...さよならなんてしたくなかった...


跡部が、景吾のことがすきだった」


かるくうなづいて、背中をさすりながら話を聞いてくれる周助。


「けど、すきになればなるほど”期限”と”真実”が広がっていって、つきつけられて...こんなに好きなのにスキでいてもらってるのに、どうしてダメなんだろうっていっぱいになった...。婚約者なんて彩葉さんなんて捨てちゃってよ、あたしだけを あたしをスキっていって...欲しかった」


コンクリに広がったしずくが水たまりみたいになってる。

顔がぐちゃぐちゃになってるのもかんじる。

ひどいの、こんなの周助にしかみせられない。

漠然と重いながら言葉をつなぐ。

「でもね、そう思うのに、いつだってそう思うのに、言えないの...言えなかったの、『今すぐ別れよよう』って言われるの怖くて、嫌われるの嫌で...だったら残りを一緒にすごせたほうがいいって思ったの...」



「そうだね、僕もそうしたと思うよ」

の立場だったら、とつけくわえて、周助は笑った。
まわしていた手があたまにおかれてぽんぽんとなでられる。

「苦しかったよね、。でも、もういいんだよ。我慢しなくて、泣いていいよ、傍にいるから」

しゃくりあげるのがとまらない。

耳には五限目の予鈴がひびいてくる。

たちあがろうとしたあたしを制して周助は笑ってくれた。



かなしくてかなしくて 周助の中に飛び込んだ。

























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追記**


これじゃぁまるっきり不二ドリだよ。
次は跡部出てきます。



image song t.A.T.u.『STARS』



up date:2003.06.10